5月5日の良いこと～全速力で走ったら優しい人に会った～

連休だけどコロナのせいでどこにも出かけられない。おまけに連休中ずっと天気が悪いからどこか行ったところで景色も十分には楽しめない。

やっぱり家の中にいてばかりだと憂鬱になってくる。何もすることがなくぼーっとしているのも楽しいが、ずっとぼーっとしているとだんだん動くのが億劫になってきて、このまま何もしたくない、生きるのも面倒くさい、と思考がネガティブな方へ飛躍していく。やばい、このままでは鬱モードに入ってしまう。思考がネガティブになりがちな時は何も考えられないぐらいに体を疲れさせるのが私なりの回復方法だ。

外に出て思いっきり走ろう。着替えるのが面倒なのでフリースの上着にスウェットのパンツ。家着のままiphoneとipodsだけ持って家を出た。

音楽の効果は凄まじいものがある。音楽を聞くことによって気分が高揚し、走る速度が上がるのだ。多少辛くても走りきってやる、という気持ちになってくる。ランニングする時はいつもB'zの曲を聞いている。B'zの曲は「ultra soul」が世界陸上のテーマソングとして使われ「兵、走る」はラグビー日本代表応援ソングとして使われたが、あながち間違いじゃない。B'zの曲を聞いていると「体を動かしたい」という気持ちに不思議となってくるので、スポーツとの相性がいいのだ。

B'zの曲を聞くことでテンションの上がった私は、全速力で走っていた。家着で寝ぐせのついたままの髪の毛を振り乱しながら。家にいて鬱々とした気持ちだったのが、走ることで疲労によって何も考えられなくなる。この瞬間が気持ちいい。

走ることに気を取られていたら、前から歩いてきたおばさんに「ちょっと、ちょっと」と声をかけられた。集中していたし、音楽を聞いていたので気が付くのに少し時間がかかった。「あなた、ケータイ落としたわよ」

ハッと振り返ると、ケータイが歩道に落ちていた。全速力で走っていたのでスウェットのポケットからケータイが落ちてしまったのだ。全く落ちたことに気が付かなかった。私はおばさんに深くお礼をした後、また走り出したのだが、本当にすれ違った人がいてよかったと思った。しかも親切なことに、わざわざ呼び止めて落としたことを伝えてくれる人だったのが本当にツイている。

iphoneは本体が15万ぐらいする高価なもの。それを危うく落としたまま永遠に返ってこなかった未来もあったのかと思うと、落とした瞬間にすれ違った人がいたことが奇跡のように感じられた。私の周りにはいい人が多いなと思った良い一日だった。